加味帰脾湯で不眠・不安を解消!心と体の疲れを癒やす漢方の力 | ヨウジロウのヘルスケア講座

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加味帰脾湯で不眠・不安を解消!心と体の疲れを癒やす漢方の力【東京情報大学・嵜山陽二郎博士のヘルスケア講座】

加味帰脾湯で不眠・不安を解消!心と体の疲れを癒やす漢方の力
加味帰脾湯は、虚弱体質で血色がすぐれず、精神不安や神経症、不眠などを伴う症状に用いられる漢方薬です。消化器の働きを助けながら、気力と体力を補い、血液循環を改善することで心身のバランスを整えます。基本となる「帰脾湯」に、熱を冷まし精神を安定させる柴胡と山梔子を加えた処方で、特にイライラやのぼせを伴う神経の高ぶりを鎮める効果が強化されています。心身が疲れ果てて眠れない、不安感が強い、食欲がないといった「心脾両虚」の状態に適しており、貧血や健忘の改善にも応用されます。ストレスが多く、心と体の両方が消耗している現代人に適した漢方薬の一つと言えます。

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目次  加味帰脾湯で不眠・不安を解消!心と体の疲れを癒やす漢方の力




加味帰脾湯とは:心身の疲れを癒やす和漢の知恵


加味帰脾湯(かみきひとう)は、漢方医学において古くから用いられてきた処方の一つであり、現代社会においても多くの人々が抱える心身の不調、特に精神的なストレスに起因する様々な症状に対して優れた効果を発揮する漢方薬として知られています。この処方は、体力が低下して虚弱であり、顔色が悪く、貧血気味で、精神的な不安や緊張、神経過敏、そしてそれらに伴う不眠症などの症状が見られる場合に適応されます。加味帰脾湯の特徴は、単に身体的な症状を改善するだけでなく、精神的な側面にも深く働きかける点にあります。漢方医学では、人間の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という三つの要素がバランスよく巡ることで健康が保たれていると考えます。「気」は生命活動のエネルギー源であり、「血」は全身に栄養を運び精神活動を支える物質、「水」は体液全般を指します。加味帰脾湯は、これらのうち特に「気」と「血」が不足している状態、すなわち「気血両虚(きけつりょうきょ)」を改善することを主眼としています。気血が不足すると、身体的な疲労感や倦怠感、食欲不振といった症状だけでなく、精神的なエネルギーも枯渇し、不安感、抑うつ気分、集中力の低下、そして不眠などが引き起こされます。加味帰脾湯は、消化吸収機能を高めることで気血の生成を促し、同時に精神を安定させる作用を持つ生薬を組み合わせることで、心と体の両面からアプローチし、疲弊した心身を本来の健やかな状態へと導くことを目的とした漢方薬なのです。現代医学的な視点から見ても、慢性的なストレスが自律神経系や内分泌系に悪影響を及ぼし、様々な身体症状や精神症状を引き起こすことは広く知られていますが、加味帰脾湯はそのようなストレス反応を緩和し、生体の恒常性を維持する助けとなる可能性が示唆されています。この章では、加味帰脾湯の基本的な成り立ちから、その具体的な効果、そして現代人にとってどのような意味を持つのかについて、詳細に解説していきます。


帰脾湯との違いと14種類の構成生薬


加味帰脾湯は、その名の通り「帰脾湯(きひとう)」という基本的な処方に、さらに数種類の生薬を加味した(加えた)ものです。帰脾湯自体も非常に優れた漢方薬であり、主に胃腸の働きを助けて「気」と「血」を補い、精神を安定させる作用を持っています。「脾(ひ)」とは漢方医学における消化吸収機能全般を指す概念であり、「帰脾」とは、思考や憂慮によって傷ついた脾の機能を回復させ、気血を生み出す本来の場所(脾)にエネルギーを帰す、という意味が込められています。帰脾湯は、人参(ニンジン)、黄耆(オウギ)、白朮(ビャクジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、酸棗仁(サンソウニン)、竜眼肉(リュウガンニク)、遠志(オンジ)、当帰(トウキ)、木香(モッコウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)という12種類の生薬から構成されています。これらの生薬はそれぞれ異なる役割を担っており、例えば人参、黄耆、白朮、甘草などは胃腸の働きを高めて元気を補う「補気」の作用が強く、当帰は血を補う「補血」の作用、酸棗仁、竜眼肉、遠志などは精神を安定させ、質の良い睡眠をもたらす「安神(あんしん)」の作用を持っています。これらが組み合わさることで、帰脾湯は虚弱体質で疲れやすく、不眠や不安感がある人に用いられてきました。加味帰脾湯は、この帰脾湯の構成生薬に、さらに柴胡(サイコ)と山梔子(サンシシ)という二つの生薬を加えたものです。柴胡と山梔子は、体内にこもった熱を冷まし、炎症を抑え、イライラや精神的な興奮を鎮める作用、すなわち「清熱(せいねつ)」や「疏肝解鬱(そかんげうつ)」の働きを持っています。帰脾湯が主に気血の不足を補うことに重点を置いているのに対し、加味帰脾湯は、気血不足に加えて、ストレスなどによって生じた精神的な高ぶりやのぼせ、イライラといった「熱」の症状を伴う場合に適しています。つまり、より複雑化した現代人のストレス症状に対応できるように強化された処方と言えるでしょう。合計14種類の生薬が互いに協力し合い、絶妙なバランスで配合されることで、加味帰脾湯独自の複合的な効果が生まれるのです。それぞれの生薬の品質や配合比率は、漢方薬の効果を左右する重要な要素であり、長年の歴史の中で確立されてきた知恵の結晶です。


「気血」を補い「心脾」を整えるメカニズム


加味帰脾湯の作用メカニズムを理解するためには、漢方医学における「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」の考え方、特に「心(しん)」と「脾(ひ)」の関係性を知ることが重要です。「心」は単なる心臓という臓器だけでなく、意識、思考、感情といった精神活動の中枢を司ると考えられています。一方、「脾」は前述の通り、飲食物を消化吸収し、全身に必要な気血を作り出す源としての役割を担っています。漢方では、過度な思考や心配事、ストレス(これらを「思慮過度」といいます)が続くと、「脾」の機能が損なわれると考えます。脾が弱ると、気血を十分に作り出すことができなくなり、全身のエネルギー不足に陥ります。さらに、脾で気血が作られないと、精神活動を支える「心」にも十分な栄養(特に「心血(しんけつ)」)が届かなくなります。心血が不足すると、精神が不安定になり、不安感、動悸、不眠、健忘などの症状が現れます。この状態を「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」と呼びます。加味帰脾湯は、まさにこの心脾両虚の状態を改善するために設計された処方です。まず、人参、黄耆、白朮などが「脾」の働きを立て直し、消化吸収を改善して気血の生成を促します(健脾益気)。そして、当帰や竜眼肉などが生成された「血」を補い、「心」に栄養を届けます(養血)。さらに、酸棗仁や遠志が不安定になった「心」の神(精神)を落ち着かせ、安眠へと導きます(養心安神)。これらに加えて、柴胡と山梔子が、ストレスによって滞った「気」の流れ(気滞)をスムーズにし、鬱積して生じた熱を冷ますことで、イライラや精神的な緊張を解きほぐします。このように、加味帰脾湯は「脾」を立て直すことで気血の源を確保し、「心」に栄養を与えることで精神を安定させ、さらにストレスによる気の滞りや熱を解消するという、多角的かつ根本的なアプローチによって心身の不調を改善していくのです。これは、対症療法的に症状を抑えるのではなく、身体が本来持っている回復力を高め、バランスを取り戻すことを目指す漢方治療の神髄を表していると言えます。


主な効果・効能と適応となる不調


加味帰脾湯は、その複合的な作用メカニズムにより、多岐にわたる症状に対して効果を発揮します。日本の厚生労働省が承認している医療用漢方製剤の効能・効果としては、「虚弱体質で血色のわるい人の次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症」が挙げられています。これはあくまで代表的な適応症であり、実際の臨床現場では、これらの症状を背景に持つ様々な心身の不調に応用されています。重要なのは、病名そのものよりも、その人の体質や症状の現れ方(これを「証(しょう)」と呼びます)が加味帰脾湯に適しているかどうかという点です。具体的には、体力がなく疲れやすい、顔色が優れない、食欲不振、胃腸が弱いといった「虚証(きょしょう)」の体質をベースに、精神的な症状が強く現れている場合に適応となります。例えば、体力はあるが一時的なストレスでイライラしているような「実証(じっしょう)」のタイプには、他の漢方薬(例えば柴胡加竜骨牡蛎湯など)の方が適している場合があります。加味帰脾湯が得意とするのは、慢性的な疲労やストレスによって心身のエネルギーが枯渇し、その結果として現れる様々な不調です。以下に、具体的な適応症状について詳しく見ていきます。


不眠症へのアプローチ:質の高い睡眠を取り戻す


加味帰脾湯が最も頻繁に用いられる症状の一つが不眠症です。漢方医学において、不眠は単に「眠れない」という現象だけでなく、その原因によっていくつかに分類されます。加味帰脾湯が適応となる不眠は、主に「心脾両虚」によるものです。これは、心身の疲労が極まって、眠るためのエネルギーすら不足している状態、あるいは精神的な不安や考え事が頭から離れず、脳が興奮状態にあって眠れない状態です。具体的には、布団に入っても色々なことを考えてしまって寝付けない(入眠困難)、夜中に何度も目が覚めてしまう(中途覚醒)、朝早く目が覚めてそれから眠れない(早朝覚醒)、眠りが浅く熟睡感がない、といったタイプの不眠に効果が期待できます。睡眠薬が脳の活動を強制的に抑制して眠りを誘発するのに対し、加味帰脾湯は自然な眠りのリズムを取り戻すことを目指します。構成生薬である酸棗仁は、古くから不眠に使われてきた代表的な生薬であり、精神を安定させ、質の良い深い睡眠を促す作用があります。また、竜眼肉や遠志も同様に安神作用を持ち、不安感や動悸を鎮めることで、穏やかな入眠をサポートします。さらに、柴胡と山梔子がストレスによる神経の高ぶりを抑えるため、考えすぎて目が冴えてしまうといった状態の改善にも寄与します。加味帰脾湯による不眠治療は、即効性という点では西洋薬の睡眠薬に劣る場合もありますが、習慣性や依存性の心配が少なく、根本的な体質改善を通じて自然な眠りを取り戻せる点が大きなメリットです。服用を続けることで、徐々に寝付きが良くなり、朝までぐっすり眠れるようになった、日中の眠気やだるさが軽減した、といった効果を実感する人が多くいます。心身がリラックスし、十分な休息が取れるようになることで、日中のパフォーマンス向上にもつながります。


不安感・抑うつ気分と神経症の改善


現代社会において増加している不安障害やうつ状態、神経症といった精神疾患の領域においても、加味帰脾湯は重要な役割を果たしています。常に漠然とした不安につきまとわれる、些細なことが気になって仕方がない、取り越し苦労が多い、気分が落ち込んでやる気が出ない、集中力や記憶力が低下した、といった症状は、漢方医学では「心」の栄養不足(心血虚)や「気」の巡りの停滞(気滞)と深く関連していると考えます。加味帰脾湯は、「心血」を補うことで脳の機能をサポートし、精神的な安定をもたらします。特に、考えすぎや心配事で頭がいっぱいになり、精神的に追い詰められているような状態(強迫神経症的な傾向)や、パニック障害のように突然の強い不安や動悸に襲われるようなケースでも、体質が合えば効果を発揮することがあります。また、軽度のうつ状態(抑うつ気分)に対しても、気力を補い、気分の落ち込みを改善する効果が期待できます。西洋医学的な抗うつ薬や抗不安薬と併用されることもあり、その場合、西洋薬の副作用を軽減したり、減薬をスムーズに進めるための補助的な役割を担うこともあります。ただし、重度のうつ病や希死念慮があるような場合は、専門医による適切な診断と治療が最優先であり、漢方薬単独での対応には限界があることを理解しておく必要があります。加味帰脾湯は、心療内科や精神科の領域でも、患者の体質や希望に応じて選択肢の一つとして提示されることが増えてきており、心と体の両面からサポートする穏やかな治療法として評価されています。ストレス耐性を高め、精神的な揺らぎを少なくすることで、より安定した日常生活を送る手助けとなります。


貧血と胃腸虚弱、その他の身体症状への効果


加味帰脾湯は、精神症状だけでなく、身体的な症状の改善にも優れた効果を発揮します。その代表が貧血です。効能・効果にも明記されている通り、顔色が悪く、立ちくらみやめまい、動悸、息切れなどを伴う貧血症状は、漢方では「血虚(けっきょ)」の状態と考えられます。加味帰脾湯に含まれる当帰は「補血の要薬」とも呼ばれ、造血機能を高めて血液を増やす作用があります。また、人参や黄耆などの「補気」薬が胃腸の働きを改善し、食物から効率よく栄養を吸収できるようにすることで、血の原料を確保します。鉄剤などを服用してもなかなか改善しない貧血や、鉄剤が胃に合わないという人にとって、加味帰脾湯は有効な選択肢となり得ます。さらに、加味帰脾湯は元々胃腸の働きが弱い人(脾虚)に適した処方であるため、食欲不振、胃もたれ、消化不良、軟便や下痢傾向といった消化器系の症状も同時に改善することが期待できます。胃腸が丈夫になることで、全身のエネルギー状態が底上げされ、疲れにくくなるという好循環が生まれます。その他にも、心身の疲労からくる健忘症(物忘れ)、慢性的な疲労感、倦怠感、病後や産後の体力回復、原因不明の微熱(ストレス性発熱など)にも応用されることがあります。女性においては、月経不順や月経困難症、不正出血などのトラブルが、背景に気血両虚や心脾両虚がある場合に、加味帰脾湯によって改善するケースも見られます。このように、一見関係なさそうに見える様々な症状が、漢方医学的な視点で見ると「心脾両虚」という一つの根源から生じていることがあり、加味帰脾湯はその根源にアプローチすることで、心身全体の調子を整えていくことができるのです。


現代人における加味帰脾湯の役割と可能性


情報過多で競争が激しく、人間関係も複雑な現代社会において、私たちは常に何らかのストレスにさらされています。長時間のデスクワーク、不規則な食生活、睡眠不足、将来への不安など、心身を消耗させる要因は枚挙に暇がありません。このような環境下では、知らず知らずのうちに「気」と「血」を消耗し、「心」と「脾」の機能が低下してしまいがちです。その結果、多くの現代人が、病院の検査では異常が見つからないものの、なんとなく調子が悪いという「未病(みびょう)」の状態や、慢性的な疲労、不眠、不安といった症状に悩まされています。加味帰脾湯は、まさにこうした現代人が抱える心身のアンバランスを是正するためにうってつけの漢方薬と言えるでしょう。ストレス社会を生き抜くための強力なサポーターとして、その重要性はますます高まっています。


ストレス社会と「心脾」の消耗


現代生活におけるストレスは、「思慮過度」の状態を引き起こしやすいと言えます。仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、経済的な不安などについて絶え間なく考え続けることは、漢方医学で言うところの「脾」を傷つける行為そのものです。「脾」は肌肉(筋肉)も司るとされており、考えすぎると体がだるくなるのはこのためです。また、夜遅くまで明るい環境にいたり、スマートフォンなどのデジタルデバイスを長時間使用したりすることは、脳(心)を過剰に興奮させ、「心血」を消耗させる原因となります。さらに、食生活の乱れは直接的に「脾」の機能を低下させます。冷たいものの摂りすぎ、甘いものの過食、早食い、不規則な食事時間などは、すべて胃腸の負担となり、気血の生成を妨げます。このように、現代人のライフスタイルは、多方面から「心脾両虚」の状態を作り出しやすい構造になっています。加味帰脾湯は、消耗した「心脾」を補い、ストレスによって乱れた気血の巡りを整えることで、現代病とも言える様々な不調の予防と改善に役立ちます。特に、真面目で責任感が強く、ついつい頑張りすぎてしまう人や、繊細でストレスを感じやすい人などは、早めに身体のサインに気づき、加味帰脾湯のような漢方薬を取り入れることで、大きな病気を未然に防ぐことにつながるかもしれません。


更年期障害や自律神経失調症への応用


加味帰脾湯は、更年期障害や自律神経失調症の治療にも頻繁に応用されます。更年期は、ホルモンバランスの急激な変化により、自律神経の働きが乱れやすくなる時期です。のぼせ、発汗、イライラ、不安感、不眠、疲労感など、身体と精神の両面にわたる多様な症状が現れます。これらの症状は、加味帰脾湯の適応である「心脾両虚」に加えて、ストレスによる「肝気鬱結(かんきうっけつ)」や熱症状(のぼせなど)を伴っている状態と捉えることができます。加味帰脾湯に含まれる柴胡と山梔子は、更年期特有のイライラやのぼせ(ホットフラッシュ)を鎮めるのに有効であり、その他の補気養血・安神作用を持つ生薬が、疲労感や精神的な不安定さを改善します。更年期障害によく使われる三大漢方薬(加味逍遙散、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸)で十分な効果が得られない場合や、特に精神症状や不眠、疲労感が強い場合に、加味帰脾湯が選択されることがあります。また、自律神経失調症においても、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで様々な不定愁訴が現れますが、加味帰脾湯は心身のバランスを穏やかに整えることで、これらの症状を緩和する効果が期待できます。特に、ストレスが原因で胃腸の調子が悪くなりやすいタイプや、不安感が強く眠れないタイプの自律神経失調症に適しています。高齢者の不眠や不安感、認知症に伴う周辺症状(BPSD)の一部(興奮、徘徊、睡眠障害など)に対しても、体力を補いながら精神を安定させる目的で使用されることがあり、QOL(生活の質)の向上に寄与しています。


服用における注意点と副作用について


漢方薬は一般的に副作用が少なく安全性が高いと考えられていますが、体質に合わない場合や誤った使い方をした場合には、副作用が現れる可能性があります。加味帰脾湯を安全かつ効果的に服用するためには、いくつかの注意点を知っておく必要があります。まず大前提として、自己判断で漫然と服用を続けるのではなく、専門家の指導の下で使用することが望ましいです。


専門家への相談と「証」の見極め


漢方治療において最も重要なのは、その人の体質や症状の状態、すなわち「証」を正しく見極めることです。加味帰脾湯は「虚証」で、胃腸が弱く、気血が不足している人に適した処方です。逆に、体力が充実していて、顔色が赤く、暑がりで、便秘傾向のあるような「実証」の人が服用すると、効果がないばかりか、かえって症状が悪化する可能性があります。例えば、のぼせやイライラがさらに強くなったり、胃もたれを起こしたりすることがあります。したがって、服用を検討する際は、漢方に詳しい医師や薬剤師、登録販売者に相談し、自分の体質に合っているかどうかを判断してもらうことが重要です。また、現在他の薬(西洋薬、他の漢方薬など)を服用している場合は、飲み合わせの問題がないかどうかも確認する必要があります。例えば、甘草を含む他の製剤との併用には注意が必要です。妊娠中や授乳中の方、小児、高齢者なども、生理機能が通常とは異なるため、専門家への相談が不可欠です。症状が改善しない場合や、体調に変化が現れた場合は、直ちに服用を中止し、専門家に相談してください。


まれに見られる副作用と対処法


加味帰脾湯の副作用として報告されているものには、発疹、発赤、かゆみなどの皮膚症状や、胃部不快感、食欲不振、悪心、下痢などの消化器症状があります。これらの症状が現れた場合は、服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。また、ごく稀ではありますが、重大な副作用として「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」が起こる可能性があります。これは、構成生薬である甘草(カンゾウ)の主成分グリチルリチンの過剰摂取によって引き起こされるもので、手足のむくみ、しびれ、つっぱり感、筋肉痛、脱力感、高血圧などの症状が現れます。甘草は多くの漢方薬や食品、サプリメントなどに含まれているため、知らず知らずのうちに摂取量が多くなってしまうことがあります。複数の漢方薬を併用する場合や、長期間服用する場合は、特に注意が必要です。定期的な血液検査などでカリウム値などをチェックすることが推奨される場合もあります。さらに、「腸間膜静脈硬化症」という副作用も報告されており、長期服用中に腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感などが繰り返し現れた場合は、注意が必要です。肝機能障害(発熱、かゆみ、発疹、黄疸、褐色尿、全身倦怠感など)が現れる可能性もゼロではありません。いずれにしても、服用中に普段と違う体調の変化を感じたら、すぐに服用をやめて医療機関を受診するようにしてください。正しく使えば非常に有用な薬ですが、リスクについても理解しておくことが大切です。


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加味帰脾湯で不眠・不安を解消!心と体の疲れを癒やす漢方の力

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