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廃用症候群の恐怖!寝たきりを防ぎ一生歩ける体を作る秘訣【東京情報大学・嵜山陽二郎博士のヘルスケア講座】

廃用症候群の恐怖!寝たきりを防ぎ一生歩ける体を作る秘訣
廃用症候群とは、過度な安静や活動性の低下により身体機能や精神状態が減退する状態を指します。病気やケガによる長期の寝たきり生活が主な原因ですが、生活不活発による筋力低下、関節の拘縮、骨粗鬆症といった運動器の障害だけでなく、心肺機能の低下、消化器の不調、さらにはうつ状態や認知機能の低下など、全身に多岐にわたる悪影響を及ぼします。一度発症すると動くことがさらに困難になる負の連鎖に陥りやすく、回復には多大な時間を要するため、早期からのリハビリテーションや日常生活での活動維持、適切な栄養摂取が極めて重要です。高齢者だけでなく、入院生活を送る若年層でもリスクが生じるため、動かないことの怖さを正しく理解し、予防に努めることが健康寿命を延ばす鍵となります。

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目次  廃用症候群の恐怖!寝たきりを防ぎ一生歩ける体を作る秘訣




廃用症候群の定義と現代社会における沈黙の脅威


廃用症候群(はいようしょうこうぐん)とは、身体を動かさない状態が続くことによって、身体のあらゆる機能が低下してしまう状態を指します。英語では「Disuse Syndrome」と呼ばれ、文字通り「使わない(Disuse)ことによる症候群」を意味します。かつては、大きな病気や手術後の「絶対安静」が推奨される中で見られる現象として捉えられていましたが、現代では高齢化社会の進展や、デスクワークの増加、さらには感染症対策による外出自粛などの影響で、誰にでも起こりうる非常に身近な健康リスクとなっています。この症候群の恐ろしさは、一つの機能が低下するとそれが引き金となり、次々と他の機能も連鎖的に悪化していく「負のスパイラル」にあります。例えば、膝が痛くて歩かなくなると筋力が低下し、それによってさらに歩行が困難になり、最終的には自力で立ち上がることができなくなるだけでなく、内臓機能や精神状態までが蝕まれていくのです。一度進行してしまうと、元の状態に戻すには失った期間の数倍から十数倍の努力が必要になると言われており、予防こそが最大の治療であると考えられています。


運動器系への影響:筋力低下と骨へのダメージ


筋萎縮と関節拘縮のメカニズム


身体を動かさないことで最も顕著に、そして速やかに現れるのが運動器系への影響です。筋肉は非常に代謝が活発な組織であり、使わなければすぐに衰え始めます。研究によれば、一日の絶対安静によって失われる筋力は全体の1?3%に及び、一週間では10?15%、三週間では50%近くまで減少することもあります。特に抗重力筋と呼ばれる、姿勢を維持するためのふくらはぎや太もも、背中の筋肉の衰えが顕著です。また、筋肉の萎縮と同時に起こるのが「関節拘縮」です。関節を動かさないでいると、周囲の靭帯や腱、関節包が硬くなり、可動域が制限されます。これにより、関節を動かそうとすると痛みが生じ、さらに動かなくなるという悪循環に陥ります。


骨密度の低下と骨折リスクの増大


骨もまた、重力による負荷がかかることでその強度を維持しています。安静状態が続くと骨からカルシウムが溶け出し、骨密度が急激に低下します。これは尿路結石の原因にもなるほか、わずかな転倒でも骨折しやすい状態、いわゆる骨粗鬆症の状態を招きます。寝たきりの状態では、立位時に比べて骨への刺激が極端に不足するため、高齢者の場合は短期間で歩行不能なレベルまで骨が脆くなる危険性があります。


循環器・呼吸器系への深刻な悪影響


心機能の低下と起立性低血圧


心臓も筋肉でできているため、活動量が減ればポンプとしての能力が低下します。寝たきりの状態では心拍出量が減少し、心拍数が増加する傾向にあります。これにより、少し動いただけでも息切れや動悸を感じやすくなります。また、長く寝た状態でいると、急に立ち上がった際に脳へ血液を送る調整がうまくいかず、「起立性低血圧(立ちくらみ)」を引き起こします。これが転倒事故の原因となり、さらなる安静を強いるきっかけになることも少なくありません。


血栓症のリスクと肺機能の減退


脚を動かさないことで血流が滞り、静脈の中に血の塊ができる「深部静脈血栓症」のリスクも高まります。この血栓が血流に乗って肺に詰まると、命に関わる肺塞栓症(エコノミークラス症候群)を引き起こします。さらに、呼吸の筋力が低下し、肺の膨らみが悪くなることで、痰を出す力が弱まり、沈下性肺炎などの感染症にかかりやすくなります。これらは廃用症候群における直接的な死因となりうる重大な合併症です。


消化器・泌尿器・皮膚への波及効果


内臓機能の停滞と排泄障害


身体を動かさないことは、自律神経の乱れを招き、内臓の働きを鈍らせます。消化管の蠕動運動が弱まることで食欲不振や頑固な便秘が起こり、それがさらなる体力低下を招きます。また、排尿機能にも影響を及ぼし、寝た姿勢での排尿は膀胱を完全に空にすることが難しいため、残尿感や尿路感染症、尿路結石のリスクを増大させます。自立した排泄ができなくなることは、本人の自尊心にも大きな傷を与えます。


褥瘡(床ずれ)の発生と皮膚の脆弱化


同じ姿勢で寝続け、皮膚の一定部位が圧迫され続けると、血流が途絶えて組織が死滅する「褥瘡(じょくそう)」が発生します。廃用症候群によって栄養状態が悪化し、皮下脂肪が減少している状態では、骨が突出した部分に過度な圧力がかかりやすいため、短時間で深刻な褥瘡ができることがあります。一度褥瘡ができると、そこから細菌感染を起こし、全身状態を急速に悪化させる要因となります。


精神・神経系への影響:意欲の減退と認知機能の低下


廃用性痴呆とうつ状態のリスク


廃用症候群は肉体的な衰えに留まらず、精神面にも深い影を落とします。外部からの刺激が極端に減少する「感覚遮断」の状態に置かれると、脳の活動が停滞し、見当識障害や記憶力の低下、さらには「廃用性痴呆」と呼ばれる認知症に似た症状が現れることがあります。また、自分の力で動けない、何もできないという無力感から、意欲が減退し、うつ状態に陥ることも珍しくありません。精神的な落ち込みはリハビリへの意欲を削ぎ、さらに活動量を低下させるという、最も克服が難しい障壁となります。


負の連鎖を断ち切るための戦略とリハビリテーション


早期離床と日常生活動作の維持


廃用症候群を予防・改善するための鉄則は「早期離床」です。たとえ入院中であっても、医師の許可がある限り、可能な限り早くベッドから起き上がり、椅子に座る時間を設けることが重要です。座るだけでも重力に対して身体を保持する筋肉が使われ、内臓への圧迫が軽減されます。また、特別なトレーニングでなくても、自分で食事をする、着替える、顔を洗うといった「日常生活動作(ADL)」を自分の力で行うことが、最良のリハビリテーションになります。周囲の過剰な介護は、かえって本人の機能を奪う「親切の押し売り」になりかねないため、できることは自分で行う環境作りが大切です。


栄養管理と水分摂取の重要性


筋肉を維持・再構築するためには、適切な栄養、特にタンパク質の摂取が不可欠です。低栄養状態ではリハビリの効果が出にくいだけでなく、逆に自身の筋肉を分解してエネルギーを補おうとするため、廃用が加速します。また、十分な水分摂取は尿路結石や感染症の予防、便秘の解消に役立ちます。


結論:生涯現役でいるための「動く」習慣


廃用症候群は、一度陥ると容易には抜け出せない底なし沼のようなものです。しかし、そのメカニズムを理解し、意識的に身体を動かし続けることで、確実に防ぐことができる疾患でもあります。高齢者だけでなく、すべての世代が「動かないことのリスク」を自分事として捉え、日常の些細な動作を大切にすることが、健康寿命を延ばし、自分らしい生活を最後まで続けるための唯一の道と言えるでしょう。今日の一歩が、明日の自分の身体を支えるのです。


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